子どもには幸せになってほしい。
そう願うからこそ、
自分の気持ちややりたいことを後回しにし、
家族を優先し、
我慢を重ねているお母さんは少なくないと思います。
「母親とはそういうもの」
心のどこかで、そう自分に言い聞かせていないでしょうか。
今日はそんなママに伝えたいことがあります。子どものために我慢することだけが、愛情ではないということです。お母さんが自分を大切にして生きる姿は、子どもへの何よりのメッセージになる。私は今、そう思っています。
実は、かつての私もそうでした。
現在はヨガ講師として活動していますが、ヨガを伝える中で、身体だけでなく心の仕組みを知ることの大切さを感じるようになり、以来、身体アプローチを提唱する日本ヨガ心理学協会で学びを続けています。
■子どもは親の背中を見て育つ
ネイティブアメリカンの子育ての教えを知っていますか。「子どもは親の言う通りには育たない。親のする通り(背中)に育つ」という教えです。
代表的な教え(一節の抜粋)
- 批判されて育った子どもは、人を責めることを学ぶ
- けなされて育った子どもは、人をけなすことを学ぶ
- 悲しみ・憐れみの中で育った子どもは、自分をかわいそうだと思うようになる
- 認めてあげれば、子どもは自分が好きになる
- 親が正直であれば、子どもは正直であることの大切さを知る
- 和気あいあいとした環境で育てば、子どもは「この世界は素晴らしい場所だ」と思えるようになる

当時の私は、この教えを「良い母親でありたい」「子どものために」と一生懸命実践してきました。
けれど、いつでも完璧にできたわけではありません。子どもや家族を優先して自分の気持ちを抑え我慢を重ねていた分、心の余裕がなくなってイライラし、時には怒鳴ってしまうこともありました。
「また怒ってしまった」と落ち込みながらも、
「母親なのだから自分を後回しにしなくちゃいけない」
それが正しい生き方だと信じて疑っていませんでした。
今思えば、一つひとつの教えは実践していたつもりでした。
でも、「親の生き方そのものが子どもに伝わる」
という本質までは理解できていなかったのです。
■心理学を学んで知った「親の我慢」が与える影響
「これでよかったんだろうか…」
子育てが一段落したころ、気が付けば心にぽっかり穴が空いたような空虚感がありました。
心理学を学ぶ中で、親の感情状態や生き方そのものが、子どもの心に大きな影響を与えることを知りました。
我慢や犠牲は、美徳になることもあります。
でもその一方で、それが続けば「生きることは苦しいものなんだ」というメッセージとして伝わってしまうこともあるそうです。
そしてそれは、子どもの代だけで終わるものではなく、次の世代へとつながっていくこともあるということも知りました。
「私の背中は、子どもたちに何を教えてしまったのだろう…」

■「もし当時、その我慢のリスクを知っていたら?」
「じゃあ、当時の私がその本質を知っていたら、我慢をやめられただろうか?」
きっと、知っていたとしてもできなかったと思います。
なぜなら、私にとって我慢は当たり前だったからです。
子どもを優先することも。
家族を優先することも。
自分を後回しにすることも。
母親なら、それが普通だと思っていました。
「もっと自分を大切にしよう」そう思ったことはありました。
自分を変えたくて本も読みました。でもできませんでした。
頭で知識を得ることと、これまでに染みついた生き方を手放すことは別物です。
知ってすぐに変われたら誰も悩みません。
あなたにも、「これが当たり前」と思っていることはありませんか。
■だからこそ「今、学ぶこと」に意味がある
子どもたちは無事に成人しました。
だから「結果的にはよかった」と言われるかもしれません。
でも今の私はそうは思えません。
子育てが一段落したあと、私自身が強い自己否定と空虚感に苦しみました。
そして今になって、我慢を続ける(自分を後回しにする)生き方が、自分にも、そして子どもにも影響を与えていたかもしれないという構造を知りました。
この先、子どもたちが人生のどこかで壁にぶつかったとき、どんな影響が現れるのかは誰にも分かりません。
だからこそ、「何もなければそれでいい」と願いながらも、今の私にできることは、自分自身の生き方を見直し続けることだと思っています。
心理学を学んだ今だからこそ言えることがあります。
それは、
・頭だけでは行動を変えられない理由
・無意識のうちに生きづらさのパターンが親から子へ引き継がれてしまう仕組み
これらを知ることは、子どものためだけでなく、
自分自身の人生を生き直すことにもつながるということです。

■母親の感情は、想像以上に伝わっている
心理学では、このようなことも分かってきています。
人には相手の感情や表情を無意識に真似る働きがあると言われています。そのため、家庭で最も長い時間接する母親のストレスや我慢の空気(不快感)は、言葉にしなくても家族に伝わります。~心理学・脳科学(感情の伝染 / ミラーニューロン)~
お母さん自身は我慢しているつもりがなくても、自分を後回しにする生き方は、言葉にしなくても子どもに伝わってしまいます。それはきっと子どもにとって重荷になります。子どもが本当に望んでいるのは、自分のために犠牲になる母親ではなく、一人の人間として自分の人生を心地よく生きている母親の姿ではないでしょうか。
「家族を優先すること」が間違いなのではありません。
ただ、そのために自分という存在を置き去りにし続ける必要はないということです。
愛しい我が子に伝えたいのは
「我慢して生きること」ではなく、
「人生は楽しさもある」ということではないでしょうか。
お母さんが自分自身の足で立ち、自分の人生を大切にし始めたとき、その背中こそが、子どもにとって「人生は自分自身で切り開いていけるものだ」という何よりの教育になるのではないかと思います。
■まとめ
子どもの幸せを願うからこそ、自分を後回しにしてしまう。
それは多くのお母さんが愛情ゆえに選んできた生き方です。
それを責める必要はありません。
でも今日からは、その愛情を少しだけ自分にも向けてあげませんか。
あなたがあなたらしく生きることが、巡り巡って子供を一番安心させるのだと、今の私は思います。
そのためにまずは、後回しにさせてしまった自分自身の小さな「不快」や「身体の感覚」に目を向けること。
自分が何を感じ、どう生きたいのか。
ヨガや瞑想で自分と向き合ってみるのはいかがでしょう。
ヨガは身体を柔らかくするためだけのものではありません。
呼吸や身体の感覚に意識を向けることで、自分でも気づかなかった我慢や緊張に気づく時間にもなります。
母親であるあなたが、自分を大切にして生きる。
その背中は、きっと子どもに「人生は自分らしく生きていい」と伝えてくれるはずです。
その小さな一歩が、子どもや次の世代へ受け継がれる未来を変えていくのかもしれません。



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